鉱山町のまちなみは、日本の鉱山町の特徴を反映した独特の街並みを持っており、いくつかの地域で良く保存されています。特に朝来市の生野町口銀谷地区は、鉱山町の歴史的なまちなみが良く保存されている例とされています。この地域は、古くから銀山の町として栄え、多くの歴史遺産や近代化産業遺産が残されています。
鉱山町のまちなみには、日本の鉱山町を象徴するような建物が多く残っています。特に、財閥企業が鉱山を所有した後に建てられた日本初の社宅があり、使われなくなった今でも住居の内部を見学することができます。また、黒澤明映画監督の作品に出演した志村喬もこの社宅で育ち、志村喬を記念して記念館が建てられています。さらに、古民家を改装した「生野まちづくり工房井筒屋」では、古き良き日本家屋を間近で見ることができるだけでなく、観光案内施設としても機能しています。
生野銀山と共に歩んできた口銀谷地区では、鉱山町特有のまちなみ景観を楽しむことができ、この地域は2013年に「生野鉱山及び鉱山町の文化的景観」として国の重要文化的景観に指定されました。
さらに、鉱山町のまちなみには、国の重要文化的景観にも指定されている「トロッコ軌道跡」や「井筒屋」「浅田邸」「甲社宅」「生野書院」などの歴史的建造物が数多く存在しており、これらの建造物は鉱山町の歴史や文化を色濃く反映しています。